はとバス編

東京で定期観光と貸切を運行する同社は、名実ともに日本を代表する事業者といえよう。車両も輸入車をはじめ、バラエティに富んでいる。まずご紹介するのは、はとバス永遠のヒーロー「スーパーバス」。登場から30年近く経った現在でも、色褪せるどころかより一層輝いている。

バスロケットが際立つショット。クーラーのダクトをロケットに収納させるという、デザインと機能を両立させたため、他車で見られたダミーのバスロケットとは比べ物にならない迫力。

「金魚鉢」に続き、内側に引き込む手動式の一枚扉が採用された。荷棚を廃し、クーラーダクトをロケット埋め込み式としたため、圧倒的な開放感を実現させた車内。視点の高さこそ最新のバスに譲るものの、視界の広がりは決して引けをとらない。

2010/3/2 UP! スーパーバス(東京特殊車体-三菱ふそうB915N)

(左)1970年代後期の主力車「ニューデラックスバス」。セミデッカー・パノラマデッカー全盛期の時代において、より広い視界を得られるフルデッカーを主力と据えたことは、同社の先進性を示す好例といえよう。乗客定員53人(13列 ・正座席53)というレイアウトも独創的。

(右)1981年に2台導入された「ニューパノラマ」。フルターンシート・乗客定員35人のハイグレード貸切車。日野スケルトンのほか、いすゞハイデッカーⅣを2台導入。

2001/3/25 UP! (左)いすゞハイデッカーII(HT)

2001/3/25 UP! (右)日野RSフルデッカー(HI)

  (左)国内初導入のメテオール。1982年に定期観光用として乗客定員72人(2階席52+1階席20)を3台、84年に貸切用として乗客定員67人(2階席52+1階サロン15・トイレ付)を2台導入。

(右)同じく初導入のゼトラ。1階にトイレを設置した乗客定員47人のアンダーフロアコックピットで、貸切用として1983年に2台、84年に1台導入。

2000/1/19 UP! (左)ドレクメーラーメテオール(HI)

2001/3/25 UP! (右)ケスポーラーゼトラ(HI)

 

1981年~84年に導入された川崎重工ハイデッカーII改。右の84年式のみフロントマスクが異なる。いずれも乗客定員55人(貸切11列・正座席45+補助席10/定観12列・正座席49+補助席6)。

2001/3/25 UP! (左)いすゞハイデッカーII改(HI)

2001/3/25 UP! (右)いすゞハイデッカーII改(HI)

(左)1985年に導入された乗客定員55人(正座席45+補助席10)のR3P「ニューデッカー」。

(右)1986~87年に導入された乗客定員55人(正座席45+補助席10)のHD-I「ニューデッカー」。

2001/3/25 UP! (左)富士重工R3P(いすゞP-LV219S)(HI)

 2001/3/25 UP! (右)富士重工HD-I(いすゞP-LV219S)(HI)

  シアターアレンジメントの元祖、乗客定員51人(13列・正座席51)のヨーロコメット。定期観光用として1987年に2台導入し、2000年に引退。

2000/1/19 UP! ドレクメーラーヨーロコメット(HI)

(左)1988年に13台、89年に16台、90年に14台、91年に16台、92年に4台導入された乗客定員55人(正座席45+補助席10)のHD-II。

(中)1990年に2台導入された乗客定員55人(正座席45+補助席10)のHD-II。この2台のみ日野シャーシのため角2灯ヘッドライトが異彩を放った。

(右)貸切用として11台導入された乗客定員27人(正座席27)のブルーリボン。

2002/3/24 UP! (左)富士重工HD-II(いすゞP-LV719R)

2001/6/7 UP! (中)富士重工HD-II(日野P-RU638BB)(HI)

2001/6/7 UP! (右)日野ブルーリボン(HI)

1992年に8台、93年に12台、94年に11台、95年に11台、96年に4台、97年に7台導入された乗客定員55人(正座席45+補助席10)の7S。定期観光用と貸切用で共通仕様だが、97年の2台のみ乗客定員53人(正座席45+補助席8)で後部2列回転サロンを装備。車体更新を機に、2002年に登場した新色のレモンイエローへ塗り替られた。

2010/3/2 UP! 富士重工7S(いすゞKC-LV781R)(左・BU)

貸切用で登場した初代ボルボアステローぺSSDに続き、定期観光用として1992年に3台導入された乗客定員44人(正座席44)のアステローペスペリオールSHD 。車体更新時に東京の地図をイメージしたスペシャルカラーから、新色のレモンイエローに塗り替えられた。2004年に廃車が発生。

荷棚を廃し、エアコンダクト脇に間接照明を組み入れた天井が新造時からの特徴で、ホップアップ式のサンルーフは車体更新時に埋められた。

1階のラウンジルーム。ラウンジといっても2階席優先のレイアウトによりソファーが取付できないため、通常は業務用として締め切っている。

2005/3/19 UP! 富士重工-ボルボアステローペSHD(U-B10MC)(外観・HI&BU)

 

営業成績の良い定期観光用二階建てバスの増備として、1993年にMT車を3台、94年にZF製セミAT車を2台導入されたメテオール。いずれも乗客定員68人。当初は19羽のはとが舞う個性的なカラーリングで、車体更新時にシンプルなデザインに変更、04年にAT車から廃車が発生。

ドイツ車らしく機能的で落ち着いた雰囲気の2階席。赤い絨毯と白の枕カバーが日本的。

対面式ボックスシートが並ぶ1階席。中央部テーブルと狭いシートピッチは、収容力を重視した定期観光専用ならではのもの。セミATのチェンジレバーが目を引く運転席周りと、1階後部のサービススペース。

2005/3/19 UP! ドレクメーラーメテオール(右・BU)

(左・中)初期の輸入二階建てバスの代替として1996年に1台、97年に2台導入された乗客定員64人(2階52+1階12)のエアロキング。左は最初の1台で独自のカラーリングだったが、車体更新時に後の増備車と同じカラーリングに塗り替えられた。

(右)1998年に2台導入された乗客定員64人のエアロキング。車体更新時に右のカラーリングへ塗り替えられた。

2014/4/25 UP! 三菱ふそうエアロキング(BU)

1998年に自由乗降の循環路線として鳴り物入りで始まった「ぐるり東京号」の専用車として5台導入されたジャーニー。乗客定員40人(正座席33+補助席7)。
 

ワンマン運行のため、自動ガイドシステムやカードリーダーを装備。しかしながらガイドによる案内こそが同社の魅力だったためか、わずかな期間で運行を終了。

2001/3/25 UP! いすゞジャーニーK(HI)

除籍車 除籍車  

(左)1997年に定期観光用として2台初導入された乗客定員45人(正座席44+補助席1)のガーラIII。日・英・中・韓の4か国語マルチチャンネルシステムを装備。カタログ車にはない380馬力エンジンとアイドリングストップシステムを搭載。

(右)1998年に4台導入された乗客定員55人(正座席45+補助席10)のガーラIは、上高地乗り入れに対応できるよう全長11メートルの短尺車を選択。

2005/3/19 UP! (左)いすゞガーラIII(BU)

2011/6/5 UP! (右)いすゞガーラI(BU)

除籍車

1998年に2台、99年に5台、2000年に5台導入された乗客定員50人(正座席45+補助席5)のガーラIIIで、後部2列回転シートを装備。99年導入車からカラーリングを新色のイエローに変更。同社特別仕様として客席をカタログ車よりも50mm嵩上げしている。

2002/3/24 UP! いすゞガーラIII

2000年に5台、01年に8台、02年に8台、03年に15台、04年に5台、05年に15台導入されたガーラGHD。05年に乗客定員50人(正座席45+補助席5)に改修された。

2003年導入車から新造形アルミホイール、熱線吸収グリーンガラスを採用。車内を「オレンジ」「ブルー」「グリーン」をテーマにカラーコーディネイトし、液晶モニター、マルチチャンネルガイドシステムを装備。2000~02年導入車も車体更新時に車内装備を同様の仕様へリニューアルされた。

2019/1/5 UP! いすゞガーラGHD(BU)

2001年4月、はとバスオリジナル観光バスとしてスーパーバス以来30年ぶりに導入された「はとまるくん」。世界でわずか2台のみの特注車のため、価格は約8000万円と一般車の2倍。タグ・インターナショナルによってデザインされた東京特殊車体製シアターアレンジメントボデーを、センターミッドシップのボルボB10Mシャーシに架装。

荷物棚を廃し、金属を用いた都市的なデザインとした天井、フローリングの床など観光バスの概念を破った車内 (乗客定員44人)。見た目だけのデザインだけではなく、座面を跳ね上げ式として荷物入れとするなど機能面でも抜かりない。

ベース車の面影を色濃く残す運転席周り。それにしても、一品製作的な運転席上部の造形には圧倒される。

2008/5/31 UP! はとまるくん(東京特殊車体-ボルボKC-B10MD)

はとまるくんに続く提案型観光バスとして、2002年4月に2台導入された乗客定員28名(正座席28)の「ピアニシモ」。高価格の会員募集旅行専用として、横2+1列シートの贅沢なレイアウトを採用。右は2009年に社番211を「ピアニシモII」としてリニューアル。横2+1列シートのレイアウトはそのままに、本革シート、フローリングフロア、後部トイレを新たに装備し、乗客定員23名(正座席23) に改装された。

2010/3/12 UP! いすゞガーラGHD(BU)

  2003年10月にピアニシモの姉妹車として2台導入された、乗客定員27名(正座席27)の「フォルテシモ」。ウッド調パネルを巡らせるという、観光バスのカラーリングの概念を超越したカラーリング。2013年11月末日に引退した。

2010/3/2 UP! いすゞガーラGHD

  都内定期観光バス運行開始55周年記念として2004年1月~3月まで運行された旧デザインバス。コース・ガイドの制服ともにかつてを偲ばせる内容。

2005/3/19 UP! 富士重工HD-II(いすゞU-LV771R)(BU)

2005年3月19日から運行開始した、降車がないドライブ周遊型「プチッと東京」コース専用車の「ハローキティバス」。

2000年導入のバンホールアストロメガ2台がラッピングされた。

車番「8601」がグレー、「8602」がピンク。布地にもキティ柄を採用し、天井はブラックライトで模様が浮かび上がる。

1階はキティグッズが並べられている。

2005/3/19 UP! バンホールアストロメガ(外観・BU)

  2007年にカラーリングを変更された「ハローキティバス」。

2010/3/2 UP! バンホールアストロメガ

 

2009年にカラーリングを変更された「ハローキティバス」。「8601」「8602」でそれぞれデザインが異なる。

2010/3/2 UP! バンホールアストロメガ(BU)

  2009年11月に運行開始したオープンバス。イタリア語の'O Sole mio"(私の太陽)と日本語の"空"を合わせ、「私の空」という意味で「'O Sola mio(オー・ソラ・ミオ)」と名付けられた。1993年式メテオール1台を東急テクノシステムで1000万円かけて改造。乗客定員42人(2階42)で、最前席にガイドが対面しながら案内するのがセールスポイント。

2014/4/25 UP! ドレクメーラーメテオール(BU)

2011年に「ハロ-キティバス・8602」1台がオープンバスとしてリニューアルされた。
  (左)2012年にカラーリングを変更された「ハローキティバス・8601」。

(右)2012年に「ハロ-キティバス・8602」は「オー・ソラ・ミオ」カラーに変更された。

2016/2/6 UP! バンホールアストロメガ(BU)

2012年、13年に96、97年式エアロキング各1台がオープンバスへ改造された。乗客定員52人(2階48+1階4)で東急テクノシステムが施工。
  エアロキングから悪天候時に幌を引き出せるカブリオレタイプを採用。
2021年の新型オープントップバス導入に伴い、ロゴが「Tokyo Open Top Tour」へ変更された。

2021/8/20 UP! 三菱ふそうエアロキング(BU)

2013年に2台、京阪バスから転入したエアロキングがオープンバスへ改造された。乗客定員52人(2階48+1階4)で京阪時代からのフロントマスク(P‐)が特徴。これによりドレクメーラーのオープンバスが同年6月に引退した。

2014/4/25 UP! 三菱ふそうエアロキング(BU)

2009年に「981・982・983」の3台導入されたエアロキング。乗客定員56人(2階49+1階6+車椅子1)で、1階は独立3列シートを装備。 「981」は、はとが舞うカラーリングへ変更された。

2020/4/24 UP! 三菱ふそうエアロキング(BU)

2015年に「ハローキティバス」へ、さらに近年オープンバスへ改装されたエアロキング「982」。乗客定員55人(2階48+1階6+車椅子1)で、1階は独立3列シートを装備。

2020/4/24 UP! 三菱ふそうエアロキング(BU)

  2018年に「ハローキティバス」に改装されたエアロキング「983」。同時にバリアフリー対応の車内着席式エレベーターが設置された。乗客定員52人(2階45+1階6+車椅子1)で、1階は独立3列シートを装備。

2019/1/5 UP! 三菱ふそうエアロキング(BU)

 

2006年に10台、07年に10台導入された乗客定員54人(正座席45+補助席9)のガーラSHD。愛称は「ポップスII」で、「ミラノ」「パリ」「ロンドン」をテーマにカラーコーディネイトした特別仕様の車内が特徴。

2010/3/2 UP! いすゞガーラSHD

(左)2007年に10台導入された乗客定員53人(正座席45+補助席8)のセレガスーパーハイデッカ。

(中)2008年に4台導入された乗客定員53人(正座席45+補助席8)のガーラSHDで、後部2列回転サロンを装備。

(右)2009年に9台導入された乗客定員54人(正座席45+補助席9)のガーラSHD。

2014/4/25 UP! (左)日野セレガスーパーハイデッカ(BU)

2014/4/25 UP! (中・右)いすゞガーラSHD(BU)

(左)2011年に6台導入された乗客定員52人(正座席45+補助席7)のガーラSHD。

(中)2012年に11台導入された乗客定員52人(正座席45+補助席7)のガーラSHD。

(右)2013年に3導入された乗客定員51人(正座席45+補助席6)のガーラSHDで、後部2列回転シートを装備。

(左)2014年に8台導入された乗客定員52人(正座席45+補助席7)のガーラSHD。

(中)2015年に10導入された乗客定員52人(正座席45+補助席7)のガーラSHD。

(右)2016年に8台導入された乗客定員52人(正座席45+補助席7)のガーラSHD。

  (左)2017年に8台導入された乗客定員50/52人(正座席45+補助席5/7)のガーラSHD。

(右)2018年に8台導入された乗客定員50人(正座席45+補助席5)のガーラSHD。

(左)2008年に創業60周年記念カラーリングが施されたガーラSHD。

(中)「全旅ツアー」カラーが施されたガーラSHD。

(右)同社が運航する「シンフォニー」のラッピングが施されたガーラSHD。

2020年に運行された「トミカ50周年」ツアー専用車。参加者には非売品のはとバストミカがプレゼントされた。

2021/8/20 UP! いすゞガーラSHD(BU)

(左・中)2008年に創業60周年記念事業として4台導入された乗客定員55人(正座席45+補助席10)のセレガハイブリッド。GPSによる自動4ヶ国語ガイドシステムを装備。

(右)2010年に2台導入された乗客定員55人(正座席45+補助席10)のセレガハイブリッド。こちらが当初のハイブリッド専用カラーで、すでに08年導入車では現行カラーに塗り替えられた個体も見られる。

(左)2012年に2台導入された乗客定員55人(正座席45+補助席10)のセレガハイブリッド。

(中)2013年に2台導入された乗客定員55人(正座席45+補助席10)のセレガハイブリッド。カラーリングがイエロー一色に変更された。

(右)2015年に4台導入された乗客定員55人(正座席45+補助席10)のセレガハイブリッド。

2020/4/24 UP! 日野セレガハイブリッド(BU)

 

2013年に1台導入された乗客定員27人(正座席27)のエアロエースショートタイプMMで、後部2列回転シートを装備。

2015/2/15 UP! 三菱ふそうエアロエースMM(BU)

2014年にブラックにゴールドのラインが入る「411」と、プラチナシルバーの「412」の各1台導入された乗客定員24人(正座席24)の「ピアニッシモIII」。横2+1列革張りワイドシートをレイアウトし、フット・レッグレスト、後部に大型化粧室を装備。PCS等メーカー標準の事故防止装置に加え、国産車では数少ない各席のELR3点式シートベルト等、国内最高の安全性をアピールしている。

2020/4/24 UP! いすゞガーラSHD(BU)

およそ5年の準備期間を経て、2016年4月に1台日本初導入されたスカニアエンジン搭載のバンホールアストロメガ。2017年に4台増備された。
乗客定員54人(2階48+1階4)+車椅子2で、注目度や収容力の高さに加え、車椅子での乗降が容易なバリアフリー観光バスとして同社で増備されているほか、他社高速バスでの導入も進んでいる。右は2020年に2台導入された貸切仕様のアストロメガで、青に変更されたストライプが識別点。乗客定員46人(2階40+1階4)+車椅子2で、1階にトイレを装備。

2020/4/24 UP! バンホールアストロメガ(BU)

2021年3月に1台日本初導入されたエクリプスジェミニ3。全長11.5メーターのイギリス・バンフォードバスカンパニー製ボデーに、スカニアエンジンを搭載。新型オープントップバスとして同社と共同開発した。
  乗客定員52人(2階46+1階6)+車椅子1。エアロキングと比べても窓が小さい独特のフォルムを持つ。
  2階車内。ガイド席は最後部に2席設置。耐候性に優れたビニール生地のシートと、フローリング調のフロアが特徴。

2021/8/20 UP! エクリプスジェミニ3(BU)

  かつて、はとバスの左前輪後ろに付いていた「信託自動車」の銘板。

撮影/HT・HT225AA様、HI・HIMAJIN様、BU・ぶうちゃん様

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